愛犬のオーラルケア対策として、犬用のガムやフード、おもちゃなどを使うケースがあります。これらの口臭対策グッズは、歯磨きの効果を補助する役割が期待できます。もちろん、愛犬の口臭を改善する対策としては、歯磨きの習慣をつけることが最も重要なことです。それをしっかりと認識したうえで、口臭対策グッズの具体的な効果をチェックし、適切なものを選ぶことが大事です。
犬用ガムの口臭予防効果
愛犬のオーラルケア(お口のケア)には、正しい方法でしっかり歯磨きを行うことが大事です。しかし、愛犬の気分や飼い主の事情もあって、適切なタイミングと方法でいつも歯磨きができるとは限りません。
例えば、犬が嫌がったり、じっとしていることに飽きてしまった場合、歯ブラシが奥歯などをしっかりととらえて、汚れを取り除くことができない恐れもあります。
磨き残しが心配な時は、犬のオーラルケア用ガムをプラスして行うと、歯垢や歯周といった口臭の原因に対するケアが期待できます。犬用ガムを噛むことでブラッシング効果や、口臭の原因を抑制する効果などが期待できます。
犬のライフステージ別に、硬さを調整していたり、食べやすいように犬の好きなフレーバーにしたりと、種類は様々なので、自分の愛犬に合ったガムを選ぶと効果的です。噛む力、体の大きさ、口角の広さを考えて選ぶのが良いです。

初めての歯磨きガム。おやつだ!と大喜びでかぶりついた!いい感じ♪

磨きにくくて、磨きにくい奥歯で噛んで欲しいけど、前歯で一気に食べたい様子。

手を離すと、あっという間に食べきってしまいそうなので、離さないように必死
ガムを選ぶときは、わんちゃんの体型や噛む力、口角の広さなどを考えて購入しないといけないんですね。
犬の歯磨きおもちゃに効果はあるの?
ぬいぐるみや木製、ゴム製のおもちゃを噛んで遊んでいると、歯磨きと似たような効果が期待できます。また、さまざまな材質でできている骨型のおもちゃは、かじることで歯磨きと同じような効果も期待できます。
おもちゃで気を付けなければいけないのは、あまりにも硬いおもちゃをかじると、歯にダメージを与える恐れがあることです。また、ぬいぐるみを食いちぎって誤飲したり、木製のおもちゃを長く使用していると、木の表面にとげができるなど、ケガの原因にもなります。
ペット用のロープで引っ張り合いっこは、遊びの中でデンタルケアにもなるのでおすすめです。ホームセンターなどで売っている、家庭用の普通のロープで手作りしてもOKです。ロープは使っているうちに端っこがほぐれてきますので、ほぐれた部分をカットして使ったり、新しいものに変えたりするなどの注意を払いましょう。


犬の口臭対策のフードやおやつの効果
ドライフードとウェットフードで比べると、歯に汚れが残りやすいのはウェットフードです。歯の健康が気になる場合は、フードの見直しをすることも有効です。歯周病の原因となる歯垢や歯石を歯の表面から取り除く効果を狙ったフードやおやつもあります。
例えば、デンタルフードと呼ばれるものは、フードの表面と歯の表面との接触面積を増やすなど特殊な形をしています。噛むときに歯の表面と擦れ合い、汚れを落とすことを狙います。
普通のペット用ドライフードは、噛むとバラバラに砕けるので、あまり歯と擦れ合いません。「歯磨き効果」をうたったフードを選ぶときは、歯磨き効果を高めるために、具体的にどのような工夫を施しているのかを確認する必要があります。
また、歯磨き効果をうたったおやつについても同じです。歯との接触面積を十分に確保する形状になっているか、すぐに飲み込んでしまわないようになっているかが、歯磨き効果の決め手になります。
ただ、おもちゃと同じように、硬すぎると歯や口の中を傷つける原因になりかねないので、注意が必要です。
犬の口臭予防サプリの効果
犬用のデンタルサプリメントも市販されていますが、効果について具体的に立証されているかどうかを確認する必要があります。抗菌性や抗炎症性をうたっていても、犬に対して効果があるのかの立証がないものがあります。
まずは試すつもりで少しだけ購入してみるのが良いでしょう。また、長期間サプリを使った場合の悪影響なども、同じように検証されていない可能性もあります。どうしても使い続けたいと思う場合は、動物病院などで相談すると安心です。
愛犬が歯磨きを好きになる歯ブラシ
これまで、犬のデンタルケアに効果があるとうたわれているグッズについて紹介しましたが、やはり、犬のお口の健康を維持するには歯磨きの習慣をつけることが最も大切です。おもちゃやガム、ガーゼでの歯磨きと並行して、歯ブラシを使った歯磨きもできるようになりましょう。
最初は、指やガーゼで磨いて慣れさせるのも有効ですが、歯ブラシを用いて、しっかりと汚れをかき出すようにすることが大切です。犬に歯磨きを行う際は、犬用の歯ブラシか、人間の子供用の小さくて柔らかい歯ブラシを用います。歯茎を傷つけて出血してしまわないようにするためです。小型犬用、大型犬用の歯ブラシがありますので、愛犬の体格に合った歯ブラシを用います。
また、人間と同じように、劣化した歯ブラシを使い続けていると、歯茎を傷つけるなどの逆効果になったり、きちんと汚れを落とせなくなってしまいます。なるべくこまめに変えるようにしましょう。歯ブラシを噛んでしまうワンちゃんは、口を挟むように抑えると落ち着きます。


犬の歯磨きに歯磨き粉は必要?
しっかりとブラッシングができるように慣れば、基本的に歯磨き粉は必要ありません。愛犬が歯磨きに慣れるための補助として考えましょう。もし使う場合は、犬用の歯磨き粉(歯磨きペースト)を使うか、肉のゆで汁などで代用します。
人間用の歯磨き粉は、フッ素やキシリトールなど飲み込んでしまった場合、犬の健康に悪影響を与える恐れがあります。人間用の歯磨き粉は絶対に使わないようにしましょう。また、重曹は塩分が高いため、犬の口に入れるのはよくないのでやめた方が無難です。
まとめ
犬用ガム、デンタルフード、おやつ、おもちゃは、正しいものを使えば、歯磨きに近い効果を期待できます。しかし、「歯磨き効果がある」とうたっていても、それを食べていれば歯を磨かなくてもよいというわけではありません。
たとえ歯磨き効果があったとしても、すべての歯の汚れをケアすることはなかなか難しいのが現状です。愛犬のお口の健康を守るためには、あくまでも、飼い主による歯磨きの習慣が欠かせません。フードやおやつ、おもちゃなどのグッズは、歯磨きの効果を補助するだけということをいつも頭の中に入れておくことが大事です。