愛犬の健康を守るためには、虫歯のない歯を守っていくことが大切です。それには、愛犬に歯磨きをしてあげることが飼い主の役割としては重要です。でも、わかっているけど、愛犬が歯磨きを嫌がると、そう簡単にはいきません。
骨の折れる仕事ですが、コツをつかんで、デンタルケアという愛犬とのコミュニケーションを楽しみましょう。
Contents
犬の歯磨きがしんどい!苦手と感じる4つの理由
歯磨きの嫌いなワンちゃんの抵抗
- お口を開けてくれない
- 暴れる
- 怒る
- 噛みつく
食事の後、食べカスの中で細菌が増殖して、歯の表面に黄白色を帯びた粘着性の歯垢が付着します。歯垢は、食事後、1日もたたずにつくられてしまい、放っておくと数日で歯石へ変化すると言われています。
歯磨きの習慣をつけて、しっかりと歯垢を取り除けていれば、歯石が付くことを防ぐことができます。でも、デンタルケアの大切さはわかっていても、現実は、毎日のケアを続けられないことがよくあります。続かない理由は、愛犬が嫌がること。
愛犬が嫌がると、どうしても歯磨きをするのが億劫になります。愛犬にとっても、飼い主にとっても、歯磨きが憂鬱で苦痛な時間になってしまいます。デンタルケアを苦痛にする理由の傾向と対策をみてみましょう。
口を開けてくれない
愛犬が口をあけてくれないと、歯磨きは始まりません。どうして口を開けてくれないのかを考えてみることが大事です。例えば、好物を食べさせてあげようとするときは、愛犬は喜んで口を開けるでしょう。愛犬が口を開けるのを拒むのは、その後、苦手なことが始まることを察知しているからかもしれません。
犬は、遊んであげるときには、口を触ってあげてもまったく平気であることが多いです。でも、歯を触ろうとすると、嫌がるというケースがあります。歯磨きをしたときに感じた不快な経験が呼び起こされるのかもしれません。
焦って歯磨きをしようとせず、遊びながら、口を開けさせて、歯を優しく触ったりしながら、「怖くない」ということをわかってもらうようにすることが大切になってきます。
怒る・唸る
歯磨きをしようとすると、愛犬が怒り出す。これは、愛犬が、「歯磨きが嫌い」という気持ちを飼い主に伝えようとしているのかもしれません。
愛犬の気持ちを汲んであげて、なぜ歯磨きが嫌だったのかを振り返り、歯磨きの仕方や、歯磨きに入るまでの犬とのコミュのケーションに問題がなかったかを考えてみると良いでしょう。
または、愛犬が怒り出すのは、歯磨きをするために、愛犬がそれまでしていた行為を中断させたことに対する抗議の気持ちかもしれません。いずれにしても、歯磨きを焦ってしまうと、愛犬を怒らせてしまい、その結果、飼い主も歯磨きの時間が憂鬱になるという悪循環に陥ってしまいます。
噛みつく
愛犬の歯磨きをしようとすると、歯ブラシや飼い主の手に噛みつくという行為も、愛犬が歯磨きを嫌がっているサインである可能性が高いです。犬の性格にもよりますが、噛み付くのは断固拒否のサイン。こうなってしまうと、歯磨きはかなり難しくなってしまいます。
飼い主が「歯磨きをしなければ」と義務感を強く持ちすぎ、歯磨きという行為を施すことを焦ってしまうと、力が入りすぎたり、犬が痛がっていることを気付かなかったりするものです。犬も飼い主もリラックスできる時間にするという心構えが大事です。
暴れる
この場合は、歯磨きに痛みを伴ってしまっている可能性があります。すでに歯周病になっているときは、歯周病の治療が先です。動物病院を受診して、治療の必要がないかを確認しましょう。
その他にも、愛犬がじっとしていることに耐えられない、歯磨きの嫌な経験が蘇る、といった理由が考えられます。歯を磨こうとするたびに、愛犬が暴れだしてしまうと、飼い主も疲れ切ってしまい、どうしても歯磨きの時間が憂鬱になってしまいます。
この場合は、歯磨きがどうして嫌だったのか、じっとしていることの苦痛の理由を犬の気持ちになって考えてみるといいでしょう。また、飼い主さんの緊張感がワンちゃんに伝わってしまうこともあります。歯磨きのコツは後で触れますが、歯磨きを楽しく、リラックスできる時間にすることを心がけることが大事です。
犬が歯磨きを嫌がったら一時中断しても
ここまでは、愛犬が示す歯磨きに対する拒否反応をみてきました。「お口を開けてくれない」「暴れる」「怒る」「噛みつく」と言った犬の行為は、たいていの場合は、「歯磨きが嫌い」というサインを発していると考えられます。
犬が歯磨きを嫌がるために、歯磨きをさせる飼い主にもストレスがかかります。そうすると、歯磨きが十分にできないことに焦ってしまい、無理に歯磨きをさせようとするので、犬にもストレスがかかるといった悪循環が始まってしまいます。
犬が歯磨きを嫌いになってしまうのには「怖い」「痛い」「緊張する」などの原因がありますので、まずはその気持ちを和らげてあげることが必要です。その場合は、
- 一時的に中断する
- 時間を減らす
- 歯ブラシからガーゼに変える
などを試してみて、様子を見ることも良いかもしれません。
歯磨きを嫌がる犬には「慣れさせる」ことが大切
大事なことは、犬に歯磨きを習慣づけること、つまり、慣れさせることです。「急に歯ブラシを使ってゴシゴシ」という歯磨きは、犬にとっては苦痛です。慌てずに少しずつ慣れさせていき、最終的に歯磨きを習慣にできるよう進めていきましょう。
歯磨きをさせてくれない!犬と楽しむコツ
ここまでは、愛犬の歯磨きを習慣づけるには、「慣れさせること」が大事であるとのお話をしました。慣れさせるには、「歯磨き=心地よい」と思わせることが大事です。「歯磨き=苦痛」と思わせてしまうと、歯磨きをさせてくれないようになり、飼い主も苦痛になってしまいます。
歯磨きを習慣づけるコツは次の3つ
- 歯磨きは楽しいものと思わせる
- 飼い主さんが楽しい雰囲気作りを心がける
- 遊びの中で歯磨きを取り入れる
つまり、飼い主の心がけによって、愛犬の歯磨きを習慣づけることができ、歯の健康を守ることができるというわけです。
どうしても嫌がる場合はグッズやサプリを活用する
歯磨きを嫌がる愛犬に、歯磨きをするのは、飼い主にとっても大きなストレスです。愛犬が歯磨きに慣れるまでに、心が折れてしまいそうなことは一度や二度ではないはずです。どうしても、歯磨きを嫌がる愛犬に対しては、あきらめて投げやりになるのではなく、歯磨き専用ガムや歯磨きおもちゃを使う方法があります。
歯磨きガムを噛んでいると、歯垢を落とす効果が期待できます。味もあるので、愛犬もストレスフリー、もしくは喜んで歯磨きガムを噛むかもしれません。どんなガムを選ぶかについては、「歯垢を落とす効果があるかどうか」を確認します。また、愛犬が好きな味であるかどうかも重要です。
ガムを誤飲してしまわないように、ガムを与えたときは、なるべく愛犬から目を離さないようにすることが大事です。また、歯磨きガムの大きさや与える量にも気を付けることが必要です。
歯磨きおもちゃは、かじって遊んでいるだけで歯磨きと同じような歯垢を落とす効果が期待できるものです。犬の好きな香りや味の付いた骨型のおもちゃなどがあります。硬すぎるおもちゃは、歯が欠ける原因となる恐れもあり、注意が必要です。
ガムやおもちゃなどで歯磨きと似た効果はできますが、やはり歯と歯の間の歯垢を落とすには、歯ブラシによる歯磨きが必要になります。心が折れてしまった飼い主も、ガムやおもちゃを併用しながらも、歯ブラシの習慣を根気強く、気長に続けることが大事です。
まとめ
愛犬が歯磨きを嫌がる理由やその対策、歯磨きを習慣づけるためのコツなどを紹介しました。習慣づけるためには、良い経験を積み重ねることが大事です。歯磨きが良い経験だと犬に刷り込ませることができれば、嫌がることはなくなってきます。
ここで気を付けたいのは、飼い主は決して焦ったり、急ぎ過ぎてはいけないということです。すぐの予防効果の高い完璧な歯磨きを習慣づけることは難しいので、「愛犬と一緒に正しい歯磨きを学んでいく」という気持ちの余裕を持って取り組むことが大事です。